母型サンプルは各号数につき約750本(電胎母型/パンチ母型の比率は各号の比率に準じて調整する)、合計で3,000本を母型調査目標数とした。この調査は段階的にサンプルを追加していくため、規則性のある「系統抽出」をベースに抽出を行なった。
父型サンプルは、父型の数が号数毎にばらつきがあるため、合計で500本調査することにした。父型サンプルの抽出方法は、号数毎に100本以下は全て、100本以上は100本をサンプルの対象とした。
母型、父型全ての調査サンプル画像を高画質でのデジタル撮影でデータ化することした。

計測方法:
計測の際、サンプル1本1本のほこりは取るが、機械油での洗浄はしない。計測器具はデジタルマイクロメーターとデジタルノギスを使用する。
<計測する位置>(母型)
・ 外形寸法 幅×厚さ×高さ(電胎母型はガラハの天地も計測)
・ 深度測定 文字の四隅を4点測定
・ クサビ痕、その他の特記事項は図に書き込む
・ 単位 母型深度はインチ、それ以外はミリ
  小数点第3位まで記入。
<計測する位置>(父型)
・ 外形寸法 幅×厚さ×高さ
・ その他外観上の特記事項は図に書き込む
・ 単位 ミリで記入。小数点第3位まで記入。
計測作業は、計測者、記録者、状況確認の補佐3人で行うことし、計測結果は今回の調査のために制作した調査票のフォーマットに順次記録し整理する。このフォーマットは今後のデジタルアーカイブ化のための資料としての作りとなっている。
初年度年度の実際の計測数は母型805本、父型は524本、その後、春期と夏期2回の集中調査撮影を4回行い、平成25年(2013年)夏期に調査撮影もれ等のサンプルを追加調整し目標数のサンプル調査撮影を終えた。

撮影:
1本1本ほこりは取るが、機械油での洗浄はしない。
母型の撮影は1サンプルにつき、表、裏、右、左、天、地、三面の7アングル撮影とし、父型の撮影は1サンプルにつき、天、地、右、左、背、腹の6アングル撮影とした。
そのほか現状の保存状況の記録と、金属活字関連の保存ケース資料の記録として、母型箪笥、母型棚、ケース棚、活字用すだれケース等を全て撮影した。

活字の清刷:
本学が所蔵する弘道軒清朝体の関連資料には、株式会社イワタ活字で鋳造された活字も含まれている。これは清朝体活字の販売を目的として実際に今回調査研究している母型資料から鋳造されたものである。現在、新たに鋳造することの難しさを考え、本学短期大学部活版印刷工房において清刷の印刷を行い保存状況の確認と字種の確認を行った。

調査票と文字コード:
調査票は「母型用紙」「父型用紙」「清刷用紙」の3種類を作成した。字種を手書きで正確に記入し、そのほかに計測時にサンプルそのものの状況や表面に特徴的なキズ等を確認した場合は詳しく記入とすることとした。
弘道軒清朝体は明治初期の文字セットであり、現代の文字コードで対応できないものが数多く確認された。中には多くの資料を調査しても読解が難しいものもあった。資料整理とデータベース製作に向けての大きな課題となるため、今回は女子美術大学の資料として、可塑的な独自のコードルールを作り対応しデータベース化を急ぐこととした。

データベース化に向けたファイル管理:
調査票の連番と資料の種別、サイズとケースの棚番号を組み合わせたものをID番号とした。
例1:父型「p_0_1_s」
 資料種別/Pは父型、0は初号、調査番号/調査票の連番、sは調査票を指す。
例2:母型「m_3_1_10_p」
 資料種別/mは母型、3は三号、1は棚番、10は調査番号、pは撮影画像を指す。
画像は父型6アングル、母型7アングルで撮影しているので、それぞれの画像ファイルにアルファベットを下記のように割り振るものとする。
 父型> 天=h 地=t 右=r 左=l 腹=f 背=b
 母型> 天=h 地=t 右=r 左=l 表=f 裏=b 三面=o